徳島検診クリニック > 婦人科健診について
徳島検診クリニック 鎌田正晴

日本産婦人科学会専門医、指導医
日本乳癌学会認定医
マンモグラフィ読影指導医
乳房超音波読影指導医
日本産婦人乳腺医学会乳房疾患認定医
日本産婦人科医会(常務理事)
日本産婦人科学会(功労代議員)
日本産婦人科乳腺医学会(顧問)
日本乳癌検診学会(特別会員)
日本生殖免疫学会(名誉会員)
産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編-評価委員


-子宮頚がんにならないために- HPV検査を受けませんか?

1. 子宮頸がんはヒト・パピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。
HPVは、いわゆるイボを作るウイルスで、ほとんどの女性が知らない間に感染し、知らない間に治っています。一部の女性が治らずに異形成(前癌状態)となり、そこから癌に進行していきます。
2. 細胞診検査で死亡率を80%減らせます。
子宮頸がんの検診は細胞診で行われます。細胞診は、あらゆるがん検診の中で最も有効な検診方法の一つで、癌の発見率は95%と高率です。早期発見することで死亡率が80%減らせることが分かっています(国立がんセンター)。ただし癌の場合の治療法は手術が原則で、若い女性の場合妊娠は諦めなければなりません。また術式によっては、排尿障害やリンパ浮腫などの後遺症も深刻な問題となります。
3. HPV検査を受けると子宮頸がんになることを予防できます。
異形成で見つければ、局所手術などの簡単な治療で癌になることを予防できます。
しかし通常の細胞診では、異形成(中等度)以上の発見率は50%~80%台とかなりの見逃しがあります(国立がんセンター)。また細胞診では、子宮頸がんの約30%を占める頸部腺癌を見逃しやすいことも知られています。

HPV検査はこの弱点を補い、異形成も頸部腺癌もほぼ100%見つけることができます
4. 両方受けても検査は一回です。
細胞診は、子宮の入り口をブラシでこすって細胞をとります。HPV検査は、その細胞診の残りのサンプルで検査をしますので、皆さんが受ける検査は1回だけです。
TIPS

"女性特有のがんで死なないために -1 子宮頸がん


一般的に子宮がんと言われていますが、

子宮の入り口にできる癌(黄色)を「子宮頸がん」
子宮の奥にできる癌(赤色)を子宮体がんといい、
二つはまったく別の癌です。

どちらも早期発見すれば簡単な手術で完全に治すことができる癌です。
子宮頸がんの原因は?
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により起こります。
このウイルスは、いわゆるイボを作るウイルスで、ほとんどの女性が知らない間に感染し、知らない間に治っています。一部の女性(10%くらい)が治らずに癌に進行していきます。

 毎年1万人が罹患し。3000人が亡くなります。特に、結婚、出産適齢期の20代、30代の若い女性に増えていることが問題です。子宮頸がんの治療は子宮を全て摘出することが基本ですが、この場合命は助かっても妊娠は諦めなければなりません。
検査はどのようにするのですか?
細胞診をします。子宮の入り口をブラシで擦って細胞を採る検査です。通常は痛みもなく1分もかからない検査です。
細胞診は、あらゆるがん検査の中で最も有効な検診方法の一つです。
できたら1年に一度受けてください。

またHPV検査を併用すると、ほぼ100%前癌状態(異形成)で見つけることができます。
異常が出たらすぐ手術ですか?
子宮の入り口を拡大して診察(コルポスコピー)し、あやしい部分をつまんで顕微鏡で調べます(組織診)。
前がん状態の場合は自然に治ることもあるのでそのまま様子を見ることも可能です。がんの場合は手術が必要です。子宮の全摘出が原則ですが、早期の場合は、子宮の入り口のみの手術も可能になります。

女性特有のがんで死なないために -2 子宮体がん


子宮体がんは、生活スタイルの変化(脂肪摂取の増加、少産化など)により、急激に増えていきます。
子宮体がんとはどんな癌?
子宮の内膜に発生する癌で、子宮内膜がんとも言います。
40代後半から増加し、閉経後の50歳、60歳代に最も多く見つかります。
毎年15000人が罹患し、2500人が亡くなります。

近年増加傾向にあり、子宮頸がんより多くなりました。
どんな人が子宮体がんになりやすいの(ハイリスク)?
子宮体がんの8割は女性ホルモン(エストロゲン)の刺激が関係しています。
妊娠中は黄体ホルモン(内膜を守るホルモン)が大量に作られます。月経不順の女性は相対的黄体ホルモンの欠乏状態と考えられます。脂肪はエストロゲンを産生します。つまり未妊、未産、月経不順、肥満は要注意です。また高血圧や糖尿病の女性もハイリスクであることが知られています。遺伝性の場合もあります(子宮体がん・大腸がんの家庭歴に注意)。
症状は?
無症状で進行する子宮頸がんに対し、子宮体がんでは比較的早期に出血が見られます。
最近6ヵ月以内の、①不正性器出血、②月経異常、③褐色帯下、などの症状がある場合は検査が必要です。勿論症状がない場合もありますので、超音波検査で内膜の厚い人、乳癌のホルモン治療を受けている人前述のハイリスクの人はご相談下さい。
どんな検査をするの?
子宮頸がんと同じ手順で子宮内膜の細胞診(あるいは組織審)を行います。
ただし子宮体がんの細胞診では10%~20%の見落としがあり、細胞診で異常なくても、出血等が続くようであれば再検査あるいは精密検査が必要です。その際超音波検査で子宮内膜の状態を観察することが有力な手段となりますので、あわせて検査を受けることが勧められます。

当院では直径2㎜の極細のブラシ(ソフトブラシN、ソフトケミカル社)を使いますので、痛みもほとんどありません。

女性特有のがんで死なないために -3 卵巣がん


卵巣は3cm位の楕円形の臓器で、骨盤の奥の子宮の両側にあります。 (← 右:癌、左:正常)

卵の貯蔵庫で、月に一回排出します(排卵)。また女性を若々しく元気にする女性ホルモンを産生します。腸や子宮など、お腹の中の臓器は腹膜という丈夫な膜で隙間なく覆われています。しかし卵巣の表面は隙間だらけになっています(排卵のため)。
卵巣がんは死亡率が高いと聞きましたが?
40代~60代で好発し、年間約10,000人が罹患、5,000人弱が死亡しています。
骨盤の奥にあるためかなり大きくなるまで症状が出ません。また表面が隙間だらけなので、図ののように癌細胞がすぐお腹の中に広がってしまいます。

つまり、しこりやお腹の張り、痛みなどの症状が出たときには進行癌になっていることがほとんどで、実際卵巣がんの約50%はⅢ期以上の進行癌で発見されます。そのため婦人科の癌では最も高い死亡率となっています。
卵巣がんの原因は?
以下のような様々な原因が考えられます。
約10%は遺伝性です。女優のアンジェリーナ・ジョリーが、予防的に正常な乳房、卵巣、卵管を切除したことで、「遺伝性乳癌卵巣癌症候群」が有名になりました。また子宮内膜症との関係も分かってきました。

逆に経口避妊薬(ピル)はリスクを下げることから、排卵刺激が癌の発生に関係すると考えられています。また子宮内膜症は月経血の逆流が関係すると考えられています。

この40年間で4.5倍に患者数が増えています。未妊や少産などにより、以前より排卵・月経の回数が増えていることも原因の一つと考えられます。
卵巣がんの早期発見はできるの?
医学的証明はまだですが、経験的には経腟超音波検査が最も有効と考えられています。
特に前述したようなリスクが高いと思われる方はご相談ください。